毎朝ケータイで電話をかける母
「早く起きてよね、遅刻しちゃうわよ!」と、朝から叫んでいる母ですが、その母の目の前には誰がいるというわけではなく、ただ片手にケータイが握られているといった状態です。これは毎朝見られる私の自宅での光景で、母が電話をかけている相手とは、単身赴任をして1人暮らしをしている父です。つまり母は、離れて暮らしている父のことを毎朝電話をかけて起こしてあげているという状態なのです。父は寝起きがかなり悪い人で、それに決して悪気があるわけではないものの、普通の目覚ましを鳴らしたところでは目を覚ますことはまずないだろうというほど、毎日が深い眠りである人でした。しかし仕事にはきちんと行かなければならないことに変わりはないため、1人で生活をしているにしても、母がこれまでのように責任を持って父のことを起こすようになったのです。父が単身赴任をして家を出ていった次の日の朝から、このケータイでの電話のやり取りが始まりました。
どうやら父は、母からの電話がかかってきた場合の着信の音量を最大に設定していて、さらにバイブレーションをつけ、それを握って眠るようにしているそうで、これまで母からの電話に気が付かなかったことはないといいます。離れて暮らしていても、このように信頼し合って連絡を取り合う両親を見ていると、本当に仲がいいなと思います。ケータイがあるからこそ、離れて暮らしていても仲良くつながっていられるんだなと実感しました。
関連サイト